#219 四国電力第98期第2四半期

今日も今日とて電力会社をやります。四国電力です。

決算短信|四国電力

今日のテーマは「四国電力の収益性悪化の原因は何か?」です。

 

電力会社の決算ブログ一覧

forfreedom1102.hatenablog.com

forfreedom1102.hatenablog.com


forfreedom1102.hatenablog.com

○財務数値(累計/日本基準)
売上高 5,097億円→4,330億円(前年同期比△15.1%)

経常利益 150億円→△142億円

四半期純利益 98億円→△114億円

総資産額 1,430億円→1,500億円(同+4.9%)

純資産額 3,279億円→3,098億円(同△5.5%)

自己資本比率 22.8%→20.5%(同△2.3%)

 

です。四電も収益性が悪化しています。

そして今までの電力会社の中でも一番ダメージを受けてるような気がします。気のせい?

 

貸借対照表

B/Sの有形固定資産のデータを使ってざっくり各発電の比率を推測してみたいと思います。

発電設備は合計で2,472億円分所有しています。

そのうち水力=23.7%、汽力(火力)=27.9%、原子力=48.5%です。

これはあくまで推測なので決算短信に記載されている電力供給を見てみたいと思います。

 

(単位:百万kWh、%)

水力1,946→1,663

原子力0→467

新エネ5→6

火力8,260→9,447

他社受電11,514→12,327

となっています。自社発電の中で比率を出してみると

水力=14.3%、原子力=4.0%、新エネ=0.1%、火力=81.6%

です。火力発電が圧倒的に多いですね。原子力は昨年12月から伊方発電所の運転を再開したことから利用率が8.3%となっており、まだまだポテンシャルはありそうです。

水力発電も資産額の割には発電量が少ないためあまり稼働していないのかもしれません。

 

○損益

次に損益が悪化している原因をまず財務諸表のデータから推測し、決算説明資料などを使って答え合わせをしてみたいと思います。

 

損益項目の中で重要な要素を抽出してみると

前3Q→当3Q

営業収益 509,782→433,019(前年同期比△15.1%)

 電気事業営業収益 441,722→356,930(同△19.2%) 84,792

 その他事業営業収益 68,060→76,089(同+11.8%)

営業費用 491,891→447,616(同△9.0%)

 電気事業営業費用 431,487→379,442(同△12.1%) 52,045

 その他事業営業費用 60,404→68,174(同+12.9%)△32,747

営業利益 17,891→△14,597

 

このように前年同期との比較で計算するとわかりやすいですね。

本業である電気事業の営業収益が15.1%減少したのに対してその営業費用は12.1%しか減少していません。それぞれの減少額の差は32,747百万円です。そして営業利益の減少額は32,488百万円です。つまり四国電力が赤字になったのは本業の電気事業の営業収益が営業費用の減少幅以上に減少したからだと言えます。

具体的に営業費用のどの項目があまり減っていないのか(もしくは増えているのか)細かくみてみましょう。

 

○電気事業営業費用

前3Q→当3Q(単位:億円)

人件費 399→328(前年同期比△17.8%)

燃料費 384→710(同+84.7%)

購入電力量 1,620→1,190(同△26.6%)

減価償却費 365→389(同+6.6%)

修繕費 390→384(同△1.7%)

原子力バックエンド費用 20→33(同+63.0%)

その他費用 1,132→757(同△33.1%)

 

燃料費が倍近くに膨れ上がっているのがわかります。

そして燃料費の増加額は326億円で、営業利益の減少額324億円にかなり近いです。

 

以上のことから四国電力の収益性悪化の原因は燃料費の増加にあるとみて間違いないでしょう。

 

○決算説明資料

では確認のため決算説明資料の損益に関するコメントを見てみます。

燃料価格の高騰影響などにより需給関連収支が悪化したことから、前年同期に比べ、営業損益は323億円悪化の145億円の損失、経常損益は292億円悪化の142億円の損失、また親会社株主に帰属する四半期純損益は、212億円悪化の114億円の損失。なお、燃料価格の高騰影響については、3~5か月遅れで燃料費調整額(収入)に反映されるため、当期の業績が大幅に悪化しています。

https://www.yonden.co.jp/assets/pdf/corporate/ir/library/settle/fy2021_q3_gaiyou.pdf

 

とのことです。財務諸表や営業費用の内訳から推測した通り、燃料価格の高騰(燃料費の増加)が今回の業績悪化の原因のようです。

財務諸表からデータを読み取って仮説を立てる、決算説明資料などで仮説を検証する、というのをやってみました。謎解きみたいで楽しいですね。

今日はこのくらいで終わります!