#215 北海道電力第98期第3四半期

ブログを書く習慣が少しずつ身についてきました。ブログを書くたびに少しずつでも企業分析のスキルが向上していけば嬉しいですね。なので今回は収益性について深掘りする、とか何かしら自分なりのテーマを持って企業分析をやっていこうと思います。

 

今日は決算サマリーの北海道電力株式会社の第98期第3四半期の決算を深掘りしていきます。

 

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○財務数値(累計/日本基準)
営業収益 3,900億円→4,412億円(前年同期比+13.1%)

経常利益 210億円→130億円(同△37.8%)
四半期純利益 177億円→87億円(同△50.6%)
総資産額 2.0兆円→2.0兆円(同+0.4%)

純資産額 2,897億円→2,908億円(同+0.4%)
自己資本比率 13.8%→13.8%

 

増収減益ですね。その原因は何か探ってみます。

 

損益計算書

まず損益計算書(P/L)をみてみましょう。

営業収益が前年同期比511億円(13.1%)増加に対して営業費用が同610億円(16.9%)となっており売上の増加以上に原価が増えてしまったようです。

次に営業外収益が+32億円(+237.4%)、営業外費用が+13億円(+14.4%)。

特別損失でインバランス収支還元損失を15億円計上しています。

税引き前の四半期利益が99億円減少なので要因は営業費用の増加で間違いないでしょう。

 

○インバランス収支還元損失とは

まずインバランスについて

東電PG、インバランス収支409億円赤字の衝撃|日経エネルギーNext

小売電気事業者の当日の供給電力量が、自社の顧客の総需要に対して不足していた場合(不足インバランス)、一般送配電事業者が不足分の電気を補給し、小売電気事業者がその不足分を「インバランス料金」で買い取る(支払う)。逆に供給量が需要を上回ったとき(余剰インバランス)は、余剰分を一般送配電事業者が引き取る。小売電気事業者から見れば売り渡すことになる。これをインバランス精算と呼ぶ。

 

要するに一般送配電事業者による電力の需要と供給の調整制度ということですね。これによってエリア内での電気の供給が安定的におこなわれます。このインバランス料金単価が21年1月に一定水準を超えたため、一般送配電事業者である北海道電力ネットワーク(株)が小売電気事業者に通常負担してもらうはずの託送料金から減額するとしたため特別損失を計上しました。

電力業界特有の話で少し難しいですね。

 

○収益性分析

今日の分析の締めは収益性分析です。ROEを算出してこれをさらに総資本回転率、売上高純利益率、財務レバレッジの3要素に分解して前年同期との時系列比較と競合他社との比較をしてみたいと思います。

 

北海道電力 第97期第3四半期→第98期第3四半期

売上高 390,043百万円→441,204百万円

当期純利益 17,727百万円→13,090百万円

総資本 1,995,373百万円→2,010,454百万円

自己資本 (274,004+3,097)百万円→(275,759+2,248)百万円

自己資本 277,101百万円→278,007百万円

 

ROE=当期純利益/自己資本=6.40%→4.71%

ROEは前年同期が6.40%で当期が4.71%です。

これを3要素に分解してみましょう。

 

ROE=売上高純利益率*総資本回転率*財務レバレッジ

前期ROE=4.54%*0.20*7.20=6.54%

当期ROE=2.97%*0.22*7.23=4.72%

 

前年同期と比べてみるとROEが1.69ポイント下がったのはどうやら売上高純利益率が低下したのが大きいようですね。

 

それでは同業他社である九州電力と比べてみましょう。

 

九州電力 第97期第3四半期→第98期第3四半期

売上高 1,069,431百万円→1,196,797百万円

当期純利益 55,306百万円→35,927百万円

総資本 5,128,563百万円→5,284,758百万円

自己資本 (646,239+6,068)百万円→(662,044+11,016)百万円

自己資本 652,307百万円→673,060百万円

 

ROE=8.48%→5.34%

ROE=売上高純利益率*総資本回転率*財務レバレッジ

前期ROE=5.17%*0.21*7.86=8.53%

当期ROE=3.00%*0.23*7.85=5.42%

 

九州電力もほとんど同じような変化をしています。売上高純利益率が低下したことによりROEも低下していると言えます。サンプル数が少ないのでなんとも言えませんが他の電力会社も売上高純利益率が下がっている可能性がありますね。

 

次回電力会社の財務分析をする際は、損益計算書を深掘りして北海道電力九州電力の売上高純利益率が低下したかを推測していきたいと思います。今日はこの辺で。